10回オープントーナメント
全高知・愛媛交流
空手道選手権大会

 2000年4月9日(日曜)
会場】
高知県立青少年体育館
主催】
高知新聞社、RKC高知放送、
全高知・愛媛交流空手道選手権大会実行委員会

大会の様子
他流と極真が一騎打ちの展開最後は山口(高知極真)に栄冠
 今回の大会は第10回でもあり、昨年の春に愛媛三好道場がオープンしたことから、「第10回記念オープントーナメント全高知・愛媛交流空手道選手権大会」と銘うっての大会となった。今大会では、幼年部および小学1年から6年の各部、中学1年、中学2・3年、高校1・2年、高校3年の部がジュニアクラスとして設けられ、その他女子、壮年、一般 初級、一般中級、一般上級の16部門でトーナメントが競われた。
 大会では、まず、午前中にジュニアクラスおよび女子、壮年、一般 の初級・中級の試合が行われ、午後1時をすぎたあたりから、今大会のトーナメントである一般 上級者の試合がスタートをきった。一般上級に出場した選手数は18名。その中でベスト4に残ったのは、三木幸司(徳島聖空会)、山口晃生(高知極真)、岡本詠(高知極真)、山本弘二(徳島聖空会)の4選手だった。まさに、準決勝は他流の徳島聖空会対高知極真の一騎討ちという構図となり、会場のなかはいやがうえでも緊張感が高まった。
 準決勝第1試合は、三木対山口の対戦である。三木の方が右下段廻しを主武器に山口の左足を攻めれば、山口は間合いをつめてからの得意の突きで応戦。徹底した三木の下段攻撃にさらされ、山口の足へのダメージが心配されたが、試合内容そのものは互角の展開といえるものだった。判定は三木に旗一本、その旗が象徴するように、本戦の主導権はやや三木にあった。続く延長戦、三木はさらに山口の左足をつぶさんと右下段廻しで決定的なダメージを与えようとするが、山口はこの三木の攻撃に対して速射砲的に突きを三木のボディに集中させて反撃。このボディへの集中攻撃で試合の流れが三木から山口へと変わったかに思えた。判定は、それを物語るかのように今度は山口に旗1本。試合は再延長へと突入したが、この辺りから山口のボディへの突きが効きはじめ、三木の攻撃力にやや精彩 がなくなってきた。しかし、ここでも山口に旗は2本まで。ここで体重判定(10キロ差で有効)となったが、それでも決着はつかず、ついに最終延長へともつれこんだ。山口の足がダメになるか、ボディを効かされて三木が失速するか。紙一重のつぶしあいは山口の拳の方に1日の長があった。判定は山口に旗4本がいっせいにあがり、主審の手も山口を指した。この戦いには、無言のなかで極真のプライドを守るという山口の意地をひしひしと感じさせるものがあったといえよう。
 続く準決勝第2試合も、同じ構図での一騎討ちとなった。徳島聖空会の山本対高知極真の岡本の戦いである。今大会での岡本は前蹴りに鋭いものがあった。準決勝でも江口賢介(極真大坂堺)を相手にみごとな中段前蹴り1本勝ちをおさめていた。その前蹴りがこの準決勝でもものをいったといえそうだ。本戦後半、岡本が山本のボディにしつこいほどに連続前蹴りを見舞うと、山本は完全に効かされて、この勝負は本戦で決着を見た。184センチの長身を誇る岡本だが、その射程距離の長い前蹴りに阻まれ、自らの間合いで戦えなかったところに山本の敗因はあったといえるだろう。
 準決勝の段階で、ついに他流派の進撃は止まった。決勝に残ったのは同門の山口と岡本である。この決勝戦でも岡本の前蹴りはまだ鋭さを失っていなかった。どちらかといえば攻撃の主導権は岡本が握っているように思えた。得意の前蹴りから接近戦に入っての膝蹴り。身長での優位 性をうまく活かした攻撃だった。この攻撃に対し、山口は突きの連打でしのいでかろうじて互角の展開にもっていった感じだった。判定は、両者に旗は1本もあがらず引き分けとなり、延長戦へと突入していった。しかし、延長戦に入ると、どうしたことか岡本の攻撃力が急速にスローダウン。ズルズルとさがる展開となり、岡本の突きの攻撃に反撃できる余力がないことが端で見ていてもわかるようになった。そんな岡本の姿を見て、改めて山口の突きの威力が半端ではないと思った。判定は文句無しに山口。山口の高知大会初優勝となった。なお、この大会の様子は4月30日に高知放送と愛媛南海放送でも放映された。
(取材/文・極真魂編集部)




 
10回オープントーナメント
全高知・愛媛交流
空手道選手権大会

 2000年4月9日(日曜)
 
第10回全高知大会一般・無差別優勝山口晃生

高知支部
昭和52年11月26日生まれ 22歳 168cm 66kg 初段

山口晃生さんの写真

●優勝おめでとうございます。
山口 ありがとうございます。
●大会を振り返ってもらいたいと思います。上級の部でしかも高知県大会、どういう気持ちで臨みましたか。
山口 そうですよね。他流派に負けないということよりも、「 まず自分のベストを尽くす」ということを考えてました。師範や師範代からもそう言われてましたし、絶対に悔いの残らない試合をしようと思ってました。
●選手宣誓もして、三好師範も期待を持って送りだしたんじゃないですか。
山口 はい、師範には本当にお世話になり、練習とかもかなり見ていただいています。不器用な方で何もできないんですが、頑張っているということで声をかけていただきました。
●練習方法など特に力を入れて取り組んできたことは。
山口 スタミナ練習でしょうか。僕自身からだが小さいんで、どんな相手とも正面から打ち合えるようになれればいいなと思っています。高知にも 竹澤先輩を初めとした体の大きい選手が何人かいますので、そういう方とたくさんスパーリングをこなし、後はウエイトトレーニングをこまめにしました。
●優勝できた要因は。
山口 みなさんの応援のお陰です。疲れたときでも、最後まで諦めなかったことが一番よかったと思います。
●対他流派ということでいえば、準決勝の三木選手。きつかったのでは。
山口 そうですね、三木選手のときには何度も自分に負けそうになりました。何度も延長になり、結構きつかったんです。精神的にもまいってました。
●でもしのぎ切りました。他流派に負けちゃいけないという思いが強かったのでは。
山口 そういう意識もありましたし、いい試合をしていたからこそ逆に諦めた方が負けなのかなと。セコンドもそういう風に励まし応援してくれました。「気持ちで負けないように、負けないように」と。ですから技とかはあまり頭の中になかったですね(笑)。
●決勝戦はどうですか。
山口 そうですね、岡本さんとは何度かスパーリングをしていたので、お互いに手の内は分かってました。やりづらいところもありましたけど、極真同士ということでお互いいつもの動きに近いものが出せたのかなと思っています。リラックスしてできました。
●優勝した瞬間はどんなことを。
山口 そうですねえ…。
●むしろ、一番ホッとしたのは準決勝ですか。
山口 そうですね、準決勝が終わったときは正直少しホッとしました。決勝はもう最後だから、怪我をしてもいいからすべてを出し切ろうと。決勝が終わったときは「やっと終わった」と思いました。
●ところで来年卒業ですが、卒業後のことは何か考えてますか。
山口 いいえ、今就職活動中です(笑)。一応、高知や愛媛の近くで探したいと思っています。
●大学から始めて黒帯までいけたというのはやはり極真が好きというか魅力を感じたからだと思うんですが、 山口さんにとって極真空手の魅力は。
山口 最初に見たときからその迫力に惹かれて、「ずっと続けていたらいつかは先輩のようになれるかな」と思って今までやってきました。
●ウエイト制までにどういう形で仕上げていこうと思っていますか。
山口 軽量級なんで、パワーを付けながら受け返しの反応を意識していこうと思っています。
●自分自身の組手について、持ち味はどこにあると思いますか。
山口 やはり突き主体の組手になります。欲を言えばそれが蹴りにまでつながればいいなと思っています。
●ウエイト制頑張ってください。
山口 ありがとうございます。
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