女子選手の中には、接近戦を好む人が多いような印象を受けます。普段の稽古で男子選手と組手をしたり、外国人との対格差が顕著だったり、女子選手はパワーの差を痛感する経験がおそらく男子よりも多いです。だから「押し負けたくない」とか「強い一撃をもらいたくない」とかいった気持ちが働いて、踏ん張りながら密着して打ち合うような組手をする人が多いのかもしれません。
接近戦では効果的な打撃を繰り出す方法は、いくつもあります。ただ、それだけだと試合運びがワンパターンになってしまうので、離れた間合いでの闘い方も身につけましょう。個人的には、離れたほうが強い打撃を打てるので、密着するよりも闘いやすいです。
対格差がある選手に対しては密着するのではなく、内股蹴りなどで足元から攻めるのがセオリー。突きにしても、的確に急所を狙ったり、胸サポーターを装備していない位置を打てば、パワー不足を克服することができます。ほかにも上段廻し蹴り、中段廻し蹴り、ヒザ蹴りといった威力の高い技を使いこなせば、さらに優位に試合が運べるようになります。
"女子流" 空手を磨いて、さらに高いレベルを目指しましょう!
1. 打ち合いの中で、 |
体勢を崩す |
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2. 相手の左肩に左の突きを叩き込む。突き放すような感覚で打つと相手の体が開きバランスを崩せる。 |
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3. 体勢を崩したところに内股蹴り。スネで足払いをするように、体重を乗せた一撃を叩き込む。 |
1. 打ち合いの中から、 |
すばやく蹴り、 |
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2. 前足で内股蹴りを放つ。けん制が目的なので、足先ですばやく蹴る。 |
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3. 蹴り足を戻したら、すぐさま前足で上段蹴りを放つ。 |
1. 打ち合いの中で、 |
ヒザ蹴りに |
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2. 相手がヒザ蹴りを放ってきた。 |
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3. 片手軽くガードしつつ外に一歩踏み出し、内股蹴りを叩き込む。女子の試合は接近戦になる傾向が強い。そのため、ヒザ蹴りを使ってくる相手が多いので、実用性の高い技術だ。 |
4. 今度は相手が踏み込んできたので、前足の内股蹴りで迎撃する。1.〜4. の動きを繰り返すことで、「どんなケースでも内股蹴りから入る」と印象づけておく。 |
遠い間合いで生きる内股蹴り。1. 間合いが離れている状態で。 |
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5. 相手の出際に、前足での上段蹴りを合わせる。 |
2. 一歩踏み込んで前足の内股蹴りを放つ。 |
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6. 相手は内股蹴りの印象が残っているため、反応が遅れやすい。 |
3. 元の位置に戻り。 |
4. 弓を引くように、拳をふりかぶる。 |
接近戦でのヒザ蹴りに対するカウンター。1. 近い間合いで、 |
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5. 手のひらが外側に向くくらいまでひねりを加え、突きを叩き込む。突きを見舞うポイントは、胸サポーターで覆われたていない箇所がいい。写真のように、首の付け根の下あたりは絶好の狙い目だ。 |
2. 相手がヒザ蹴りを放ってきた。 |
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3. 片手で軽くヒザ蹴りをさばきつつ(写真は右腕)、ヒザ蹴りの外側に回り込む。 |
将口が試合でひんぱんに使う技術。1. 打ち合いの中で、 |
突きの2連打 |
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2. 右の鍵突きを放つ。相手はこれをさばこうとするため、左腕が外に向かう。そのため、中央の防御が甘くなる。 |
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3. 間髪いれずに左の下突きをみぞおちに見舞う。左右の拳で相手を挟み込むようなタイミングを意識すると、決まりやすい。 |
接近してくる相手へのセオリーは、ヒザ蹴りで迎撃すること。しかし、1. のように密着されると、ヒザ蹴りを放つスペースがない。そこで、 |
突きからの |
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2. のように左肩に突きを見舞い、スペースをつくる。 |
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3. すかさずヒザ蹴りを、みぞおちめがけて放つ。 |
4. 不意を突き、離れた間合いから右の上段蹴りを放ち、 |
1. このコンビネーションを出す時は、サウスポーに構える。離れた間合いから、 |
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5. 追い打ちに左直突きを見舞う。 |
2. 右下段蹴り、 |
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3. 左直突き。これを数度繰り返し、「距離をつめてくるときは下段から」という印象を与えておく。 |
将口の師である山本健策師範も披露してた技術。1. 近い間合いで、 |
突きで軌道を |
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2. 左の直突きを放つ。同時に左足は蹴りのモーションへ。 |
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3. 左の上段蹴りを叩き込む。正面から見ると。左手で蹴りの軌道を隠し、相手に悟らせないようにしていることがわかる。 |
4. 5. 左直突き、 |
1. 構えた状態から、 |
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2. 左直突き |
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6. 右中段蹴りを見舞う。上段と中段の軌道が、途中迄同じになっていることがポイント。 |
3. 右上段蹴りというコンビネーションを見舞う。これを印象づけたのち、 |